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【僕の失敗談です】農産物、大きく育てれば良いってもんじゃない

農産物、大きく育てれば良いってもんじゃない1

「農産物は誰よりも大きく作りたい!」
「大きいものがいいものだ!」 と思ったことはありませんか?

私もそうでした。 大きく育った果物を見るとテンションが上がります。 収穫したら自慢したくなります。 でも、それが正しいとは限りません。 実は大きければ良いってもんじゃないんです。

私はそのことで取引先から怒鳴られたことがあります。 それ以来、農産物の大きさについて考えるようになりました。 今回はその内容をお話しします。

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大きすぎる農産物は売りづらい

私が怒鳴られた理由は簡単です。 大きすぎる農産物は売りづらいからです。

農産物の価格はグラム単位で決まります。 大きければ重くなります。 重くなれば価格も上がります。 価格が上がればお客さんは買いにくくなります。

例えばぶどうです。 私は「藤稔」という黒い大玉ぶどうを作っています。 これは油断すると1kg以上になってしまいます。 私はそれを見て喜んで納品しました。 でも取引先から電話がかかってきて 「こんなの売れねーんだよ!」 と怒鳴られました。

どうしてかというと このぶどうはキロ3000円で卸しても スーパーやデパートでは5000円で売られます。 一房ですよ。 買いますか? 私だったら買いません。

だから取引先から 「価格を考え直せ」と言われました。

農産物、大きく育てれば良いってもんじゃない2

JAでも同じことが起こる

これは直接取引する場合だけではありません。 JAや農協でも同じことが起こります。

JAや農協では共選という仕組みがあります。 共選とは、農家さんが出荷した農産物を 品質や大きさなどでランク分けして 単価を決めることです。

共選では、程よい大きさの農産物が最も高く売れます。 逆に大きすぎると、単価が下がります。 それどころか、共選に入らずに 個選という別の仕組みに回されることもあります。 個選とは、農家さんが自分で値段を決めて 直接買い手と交渉することです。 個選は共選よりも単価が低くなります。

私はJAに出荷していたときに ぶどうの出荷説明会に参加しました。 そこでJAの職員が 「このくらいの大きさまでならいいよ」と教えてくれました。 でもあるおじいちゃん農家さんが 「今年のぶどうは大きくなっちゃったよ」と言ってきました。 そしたら職員が 「栽培技術で小さくしてください」と言いました。

つまり、 大きく作れないのは技術がないからだ と言っているわけです。 私はその場で 「大きければ良いってもんじゃないんだな」と思いました。

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売り先によって価値が変わる

ここまで聞いて 「じゃあ大きく作っちゃダメなの?」 と思われるかもしれませんが、 そうではありません。

大きければ良いってもんじゃないというのは 一般的な売り先の場合です。 スーパーや市場の場合です。

でも、大きい方が良いという売り先もあります。 それは観光農園や産地直送の場合です。

観光農園ではお客さんは大きな果物を見て驚きます。 産地直送ではお客さんは大きな果物を開けて喜びます。 これらの場合は大きければ高く売れます。

私は観光農園をやっている同世代の農家さんを見て羨ましく思いました。 彼らは大きな果物を作って高く売っています。

これで気づきました。 売り先によって価値が変わるんだと。

農産物、大きく育てれば良いってもんじゃない4

終わりに

いかがでしたか?

今回は農産物の大きさについてお話ししました。

私の経験や学びから伝えたかったことは

・大きければ良いってもんじゃない ・売りづらい農産物は単価が下がる ・売り先によって価値が変わる

です。

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。

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ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める

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