なんで木が突然、枯れちゃうの?【モモの枯死症】

あなたは、せっかく育ててきたモモの木が、突然枯れる経験はありませんか?
私もそうでした。
モモの木が大きくなって、来年はたくさん収穫できると思っていたら、翌年の春先に枝が伸びなくなって、そのまま枯れてしまいました。
かなりショックでした。


この突然枯れてしまう現象は、モモの枯死症と呼ばれています。
特に山梨の果樹試験場が公開しているデータを参考にしたのですが、枯死症の原因は以下の5つが挙げられます。
目次
枯死症の原因5つ
- 強剪定:冬季剪定時に主幹部や主枝から太い枝を切りすぎると、切り口から主幹部に枯れ込みが入ってしまいます。
- 切り残し:剪定した枝の基部を切り残すと(通称:でべそ切り)、その切り口から主幹部にまで枯れ込みが入ったり、胴枯病菌の侵入口になったりします。
- 胴枯病:傷口感染によって起こる病気で、主幹部や主枝の内部が腐ってしまいます。
- 枝が軟弱:過剰施肥などによって枝が徒長してしまい、耐寒性や耐乾性が低下します。
- 土壌pHの高い:石灰系の資材を使うと土壌pHが高くなり、モモの木にとって適さない環境になります。
これらの原因を知ることで、枯死症を防ぐためにはどうすればいいのか、という方法を実践することで、これまで手間暇かけて育て上げた大切な果樹が枯れることを少なくできます。
植えてもすぐに枯れちゃうんだよな…というお悩みのあなた、いきなり枯れてほしくないあなたにとって参考になれば幸いです。

枯死症を防ぐ方法は?
それでは早速、枯死症を防ぐ方法を見ていきましょう。対策は大きく分けて2つあります。
- 土壌
- 剪定
土壌
土壌に関しては、以下の点に注意しましょう。
- 過剰施肥等により枝が軟弱徒長している場合は、施肥量や回数を減らしましょう。
- 土壌pHの高い圃場が多い場合は、石灰系の資材をやめて、硫安や硫黄華などの酸性肥料を使いましょう。
剪定
剪定に関しては、以下の点に注意しましょう。
- 剪定の切り口からの枯れ込みを防止するため、6年生までの若木の剪定は厳寒期を過ぎた3月上旬以降に実施しましょう。
- 剪定時に枝の基部を切り残すと枯れ込みや胴枯病菌の侵入口になる恐れがあるので、枝の基部できれいに切りましょう。切り残しした方はカルス形成(傷口を塞ぐための組織)がほとんど起こらないのに対して、きれいに切った方はカルス形成が盛んになり、傷口が早く治ります。
- 切り口の傷口を早く治すために、剪定直後に十分量のゆ合剤を確実に塗布しましょう。ゆ合剤としては、トップジンMペーストやバッチレートなどがおすすめです。無処理や木工用ボンドよりも、胴枯病菌の感染率が低くなります。
- 主幹部から出ている太い枝を処分する場合は、枯れ込み防止のため、葉芽のある小枝を数本残して「ほぞ切り」を行いましょう。太いほぞだけを残すことはしないでください。小枝が残っていないと、樹液が流動しないので、やがて枝が枯死します。数年かけて主幹部が太くなってから、基部まで切り返しましょう。

秋季剪定
剪定に関してもう一つおすすめしたいのが、秋季剪定です。夏の剪定は収穫や草刈りで忙しすぎるかもしれませんが、ちょっと落ち着いた秋季に剪定することで、枯死症を防ぐ効果があります。
秋季剪定する理由は2つあります。
- 切り口を大きくさせない
- 切り口を少なくさせる
秋に徒長した枝はマジックペンぐらいの太さだとしても、それを残しておくと、直径5センチぐらいの太い枝にまで成長します。結果、これを冬に切ると切り口が大きくなるので、枯れ込みや感染リスクが高まります。作業も大変です。それよりは、今のうちに切っておいた方が切り口が小さくて済みます。
もう一つの理由は、徒長枝を切ることで残したい枝のために貯蔵養分を使う目的があります。その枝を充実させて、来年実をつけるときにコンディションの良い枝になるわけです。

終わりに
いかがでしたか?
今回は、モモの木が突然枯れてしまう現象である枯死症の原因と対策についてお話ししました。
枯死症を防ぐためには、土壌や剪定に注意することが大切です。
特に秋季剪定は、枯れ込みや感染リスクを低減する効果があります。
モモの木は、私たちに美味しい果実を提供してくれるだけでなく、春には美しい花を咲かせてくれます。そんな大切な果樹を枯らさないためにも、枯死症の原因と対策をしっかりと理解して、実践していきましょう。
こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。
【参照元】

「もっと、農業に夢中になっちゃおう。」
みなさんに、もっと、農業に夢中になっていただきたい想いで、
いろんな農業に関する情報発信をしています。
【ゆびあぐり】のSNS一覧
https://lit.link/yubiagri
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written by 農業、始める
