草刈りすると、畑の作物が強くなる説【→病害虫に負けません】
「大切に育ててきた野菜が、虫に食べられて困ってる」
「葉っぱや実にカビが広まっちゃった」
私もそうでした。
特にシンクイムシのせいで、すもも畑一枚まるまる全滅したことがあります。
でも、植物自体が強くなりさえすれば、そんな病害虫の被害を受けにくくなるわけです。
「そんなことできるの?」
できます。
実際に科学的に実証されていて、草刈りすることによって、畑の作物が強くなっている可能性があるんです。
病害虫でお悩みのあなた、なるべく農薬散布したくないあなたにとって参考になれば幸いです。
それでは早速、本題に入りましょう。
目次
草刈りすると作物が強くなる要因は?
草刈りすると作物が強くなる要因は何でしょうか? 答えは、青葉アルコールです。
青葉アルコールとは、草や葉っぱを切ったり傷つけたりした時に発生する香りの成分です。
青臭さの元凶ですね。
この香りが空気中に漂うと、その香りを受け取った他の植物が 「自分にも危険がせまってる!なんとかしなきゃ!」 って感じて、植物はいろんなことをしだすんです。
植物はどんなことをするのか? 次に見ていきましょう。
植物はどんなことをするのか?
植物は青葉アルコールを感知すると、主に二つのことをします。 一つ目は防御すること。 二つ目は知らせることです。
防御する
防御するというのは、自分自身を守るために、虫や病気に対抗する物質を作り出すことです。
例えば、トマトの場合、食害された葉から放出された青葉アルコールが周囲の葉で他の物質に変わり、虫の生存率を低下させる特殊な物質を生成しているという研究結果があります。
また、灰色かび病という植物組織を殺して繁殖する病気に対する抵抗性も、青葉アルコールを大量に生産する方がはるかに高いことが明らかになっています。
知らせる
知らせるというのは、自分以外の植物や動物に危険を伝えることです。
例えば、キャベツの場合、アオムシが葉を食べると、キャベツが放出した香りに寄生バチが誘引されます。 寄生バチはアオムシに卵を産み付けて、孵化した子どものエサにします。
このように、植物は青葉アルコールを使って、防御や仲間どおしのコミュニケーションなど、さまざまな香り戦略を行っているのです。
体内で何が起こっているのか?
では、植物は体内で具体的に何が起こっているのでしょうか?
植物は葉っぱ全体で匂いを吸収して危険を察知します。
細胞内に取り込まれた匂い物質は、配糖体のような毒性物質に変えられます。
配糖体とは、糖分と他の成分が結合したもので、味が苦くて虫やカビが嫌がるものです。
つまり、
- 昆虫に食べられた植物が香りを発散
- この香りが近くの植物に取り込まれる
- 毒に変わる
- 虫やカビは嫌がる
という仕組みなんですね。
実際に期待できる効果は?
最後に、草刈りすることで期待できる効果は何でしょうか?
ナスやトマトなど多くの農作物は香り物質を毒に変えられます。
ということは、近くの草を刈ると、その雑草が「危険が迫ってる!」って知らせてくれて、受け取った作物は「身を守らなきゃ」「天敵に知らせなきゃ」ってなって強くなると考えられますよね。
実際に、今年の論文で静岡大学や京都大学などが言っていたのは、香り物質を農作物に人工的に処理することで、病害虫に強い形成を与えることができ、農業被害の軽減や病害虫駆除の省力化など農作物生産の経済性を向上させることができます
まとめ
今回は、草刈りすると作物が強くなるという理論を紹介しました。
- 草刈りすると作物が強くなる要因は? →青葉アルコール
- 植物はどんなことをするのか? →防御するor知らせる
- 体内で何が起こっているのか? →匂い物質を配糖体のような毒性物質に変える
- 実際に期待できる効果は? →病害虫に強い形成を与えることができ、 農業被害の軽減や病害虫駆除の省力化など 農作物生産の経済性を向上させることができます
- 草刈りの方法は? →作物の生育期に合わせて行う →作物の近くで行う →一度に大量に行わない
この理論を実践することで、あなたの畑の作物が病気知らずになり、農薬の使用量やコストを減らすことができるかもしれません。 ぜひ、試してみてください。
終わりに
いかがでしたか?
普段行っている草刈りが、作物を強くしていたというお話しでした。
この記事があなたの参考になれば幸いです。
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written by 農業、始める