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すももの花粉取りが適期をむかえました。【やり方を確認】

すももの花粉とり

みなさん、すももの花粉をとり始めましたよ。
すももの1年がスタートです。

ただ、一年前のことだから、「どういう手順でやってたっけ?」って忘れちゃうじゃないですか。
自分もそうだったんで。

なので、今回の記事をご覧いただくことで、すももの花粉取りの作業手順がわかるようになります。

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すももの花粉取りの手順解説

6つのチャプターにわけて紹介します。
それが、つぎの通りです。

  • すももに授粉が必要な理由
  • すももの花粉をとる品種
  • すももの花粉をとる適期
  • 実際の花粉の取り方
  • すももの葯の取り方
  • すももの開葯の仕方
  • 開葯後の保存方法

ひとつずつ見ていきます。

すももに授粉が必要な理由

結論として、すももは自分自身の花粉では結実しないため。

どういうことかというと、
すももは「自家不和合性(じかふわごうせい)」といって、他の品種の花粉で結実する性質があるんですね。

なので、安定して結実させるには、人工的に花粉をとって、授粉作業をしたほうがいいんです。

でも、どの品種の花粉をとればいいかわからないよ?
って思われるかもしれませんが、
それが次の
・すももの花粉をとる品種
につながっていきます。

すももの花粉をとる品種

結論として、「ハリウッド」という品種一択です。
これでいいです。

いろんな品種「ホワイト」をつかったり、「ケルシー」を使ったりすることも
あったみたいですが、
実際には、すももの品種同士に相性があります。

その中で、一番万人受けするのが「ハリウッド」です。
迷ったら、この品種で大丈夫です。
15年近くすもも栽培してきましたが、僕は「ハリウッド」一択です。

以上が、すももの花粉をとる品種でした。

すももの花粉を集めている人

すももの花粉をとる適期

結論として、風船状にふくらんでいるのが適期
白く膨らんでいるのが目安です。

理由としては、
あまり膨らんでいないと、あとで紹介する脱穀機にかけたときに
中の葯がとれないんですね。
いっぽうで、咲き切っていると、その状態で葯が開いて中の花粉が出てしまいます。

でも、「大体の時期っていつぐらい?」って思われるかたがいらっしゃると思います。

目安としては、桜の開花の1週間前にハリウッドが開花します。
天気予報を見て、心の準備をしておきましょう。
山梨でいうと3月中下旬です。

じゃあ、実際に「膨らんできた!」ってなるじゃないですか。
そしたら次の
・実際の花粉の取り方
に進みます。

実際の花粉の取り方

取り方2種類あります。

  • 枝を切って、つぼみをとる方法
  • 枝を切らずに、つぼみをとる方法

それぞれメリットデメリットありますんで
紹介していきます。

すももの葯をとりだしている様子

枝をきって、つぼみをとる方法

どういう方法か?
切った枝を軽トラの荷台だったり、地面だったり、あとは作業場に持ってったりして、そこでつぼみを取る方法です。

メリット
・効率がいい。
短時間でたくさん取れます。
・どんな枝でも大丈夫
高く上に伸びてる徒長枝も、切っちゃえばとれます。

デメリット
・枝の片づけ
・作業スペースが必要

枝を切らずに、つぼみを取る方法

どういう方法か?
ビニール傘を開いて逆さにした状態で、とっての部分を木につるしておきます。
その上のつぼみをとって傘の中に落としていく方法です。

メリット
・手が届く範囲の枝を残しておける。
確実に毎年そこの枝からつぼみがとれます。
・枝の片づけなし

デメリット
・時間がかかる。
脚立の移動とか
・風にあおられやすい。
なので、専用の傘もあります。メッシュ状になっていて風を受け流す仕様のものもあります。


実際にどっちでやってる?

両方やってます。
手に届く範囲で、残しておきたい枝は傘で。
他は上に伸びちゃってる枝とかは
ノコギリやチェンソーで切って下でとってます。
傘2割、切るの8割。

そのつぼみって何に入れてるの?

コンテナに新聞紙を敷いて、その中に入れてます。
厚さ10センチぐらいになるまで、入れます。

以上が、実際の花粉の取り方でした。

すももの開葯機

すももの葯の取り方

僕は専用の脱穀機を使っています。
少しずつ入れていくと、花殻は排出され、葯は下のトレーに落ちていきます。
排出されたものを再度、脱穀します(合計2回)。

機械がないなら、フルイにつぼみをいれて、ちょっと押し付けたり。
あとは、つぼみごとバケツにいれておいて、そこに毛叩きをいれていく。といった方法もあります。

集めた葯をフルイ1.5mで一回だけかけて、余計なゴミを取り除いていきます。

以上が、すももの葯の取り方でした。

すももの花粉を取ろうとしている人

すももの開葯の仕方

フルイにかけて集めた葯を、コンテナの底にロール紙に広げていきます。
花粉をならすときには、牛乳パックを切った長方形の厚紙を用意し、均一にならします。

どれくらいの薄さなの?

粒が重なり合っていない程度です。
ただ僕の場合、結構厚めにしちゃってますけどね。

僕は開葯機を使ってまして、22,3度で24時間でやってます。
開葯機が無い場合、もしくはトレーが無いよ。という方は、
冷暗所に2、3日置いておいて自然開葯しましょう。

今回、ロール紙がなかったんで、新聞紙でやっちゃいました。

開葯してるか確かめる方法は?

ゆびで触ってみると、黄色い粉がつく。
黒い手袋しているとわかりやすい。

以上が、すももの開葯の仕方でした。

春の畑

開葯後の保存方法

ジャムビンにいれて保存。
茶封筒にいれてもOK.

冷蔵庫にて、使う時まで保管しておきましょう。
余ったものは、冷凍保存して翌年補助的に使えます。

以上で、すももの花粉取りの手順の内容でした。

アドバイス

最後に補足として、僕が15年近くやってきて注意しておきたいことがあるんで、それをお伝えすると、
花粉がとれるときは思いっきりとったほうがいい
ということです。

なんでかっていうと、
すももの花粉をとる時期の天気って不安定じゃないですか?
春先って、雨が多くなったり風が強くなったりと。
なので、
「明日がちょうど適期だ!」
って思っても、予報をみたら3日連続雨みたいな。
でも気温が高いから進んじゃうし、水吸えば、つぼみも進んじゃうし…

あとは「残りはまた明日にしよう」と思っても、同じ理由で、取れるはずが取れずに、十分な花粉がなくて、
「今年どうしよう…」
ってなったり。
なので、とれるときに思いっきりとったほうがいいです。

すももの一年のはじまりの作業なので、スタートからつまずきたくないですよね。
自らのベストを尽くして、とっていきましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。

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ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める

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