JAの手数料ってどれくらい取られるのか?【僕の実績を紹介】

みなさん、農産物をJA、農協に出荷すると、どれくらい手数料がとられるか気になりませんか?
農業が儲からないのは「JAが手数料を取りすぎているからだ!」って声も聞いたことあるかもしれません。
僕が農業を始めたころは、JA出荷してました。
その当時の精算通知書が、手元にありますのでこれを紹介していきます。
今回の記事をご覧いただくことで、JAに出荷した場合のおおよその手取りがわかるようになります。
出荷先を選択するときのよりよい選択ができるようになりますんで、参考になれば幸いです。


目次
農協の手数料の種類は?

上の画像が、当時の精算通知書です。
農協の手数料の種類は、以下のとおりです。「控除」と書かれた欄が、手数料の種類です。
- 口銭(こうせん、くちぜに)
- 農協手数料
- 運賃
- 共選費
- 利用料
- 部会費
- 消費宣伝費
上の図の「控除」と書かれた欄が、手数料の種類です。
ひとつずつ、見ていきます。
口銭
農協の手数料のことです。
農協手数料
読んで字の如く、農協の手数料です。
口銭と農協手数料の違いが、全く理解できません。
運賃
出荷した生産物を、市場へ出荷するときにかかる運送費です。
共選費
あとでも説明しますが、農協としての審査を通過させる場合の手数料です。
利用料
共選場を借りる場合の手数料だと思います。
部会費
栽培品目ごとに部会があります(ぶどう部会、すもも部会など)。
その部会の運営費のことです。
消費宣伝費
市場に宣伝する費用です。
以上が、手数料の種類についてでした。
次に、共選と個選の違いについてお話します。

共選と個選とは?
シンプルにいうと、農協の審査基準を通っているかどうか?の違いです。
どういうことかというと、
農協が出荷された農産物を、ひとつずつチェックして、優劣をつけていくんですね。
こうして出荷されるものを「共選」といいます。
一方で「個選」は、優劣を生産者自らつけて、出荷するものです。
農協が優劣をつけていないものです。
- 「共選」は農協のお墨付きなので、価格が高くなります。
- 「個選」は個人の判断なので、価格は低くなります。
そして今回のトピックである手数料ですが、
これも共選と個選で違いが出てきます。
共選の方は、農協が審査するという手間が増えますので、
手数料が生まれます。
それが「共選費」です。
この共選費には、青果物を仕分けする方の賃金も含まれているので
基本、高くなります。
出荷価格は高いけど、手数料もひとつ加わって、それが高くなる。
ということですね。
以上が、共選と個選についてでした。
それでは実際に、JA出荷の手数料の割合を紹介していきます。
JA出荷の手数料(ぶどう)

売上 21,600円に対して、農協手数料は2,661円です。
これは売上に対して12.3%でした。
JA出荷の手数料(かき)

売上 122,226円に対して、農協手数料は52,317円です。
これは売上に対して42.8%でした。
JA出荷の手数料(すもも)
画像はありませんが、
売上15,260円に対して、農協手数料は2,342円です。
これは売上に対して15.3%でした。
以上が、JA出荷の手数料の割合でした。
まとめ
JAの手数料は、だいたい売上の15%くらいだと思ってください。
ただし、地域や出荷作物によって手数料は変わります。

手数料と資材費を引いたあと
この手元に残るお金から、さらにJA出荷する場合の資材費も負担になるわけですよね。
なので、ここから更に深掘りしていこうと思います。
実際にかかった資材費を紹介して、手数料の合計および手元に残るお金を見ていこうと思います。
すももの場合
すももを出荷するときに使用する、最小単位の資材は、
- 500gパック (@5.6円)×8個
- パックのフィルム (@5.37円)×8枚
- パックを入れる段ボール (@87.6円)×1枚
です。
1箱あたり175.4円です。
先ほどの例では7箱出荷していましたので、資材費は
1箱175.4円×7箱 ≒ 1,228円
です。
手数料と資材費を引いたあとの金額は
売上15,260円 − 手数料2,342円 −資材費1,228円
=11,690円
これは売上の76.6%でした。
ぶどうの場合
ぶどうを出荷するときに使用する、最小単位の資材は、
- 350gパック (@3.87円)×10個
- パックのフィルム (@5.39円)×10枚
- パックを入れる段ボール (@101.4円)×1枚
です。
1箱あたり194円です。
先ほどの例では8箱出荷していましたので、資材費は
1箱194円×8箱 ≒ 1,552円
です。
手数料と資材費を引いたあとの金額は
売上21,600円 − 手数料2,661円 −資材費1,552円
=17,387円
これは売上の80.5%でした。
かきの場合
かきを出荷するときに使用する、最小単位の資材は、
- ウレタン (@55.4円)×1個
- 段ボール (@95.5円)×1枚
です。
1箱あたり151円です。
先ほどの例では139箱出荷していましたので、資材費は
1箱151円×139箱 = 20,989円
です。
手数料と資材費を引いたあとの金額は
売上122,226円 − 手数料52,317円 −資材費20,989円
=48,920円
これは売上の40%でした。

終わりに
いかがでしたでしょうか?
こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。

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written by 農業、始める
