農家の「おいしいもの作れば売れる」はウソ
みなさん、いいもの手間暇つくって出荷したのに高く売れない。全然売れない。
って経験ありませんか?
でも周りの農家さんからもJAの職員からも言われます。
「もっとおいしいものをつくりましょう。そうすれば高く売れるよ。」
「よし、もっと栽培頑張ろう!」「〇〇農法やってみよう!」
でも売れない…
僕も散々聞いてきました。
今回の内容をご覧いただくことで、売れるためのコツつかめて、多くの人に「おいしいよ!」って喜んでいただけるようになります。
話の流れとしては、
前半:おいしくても売れない問題点と、その対処法
後半:人がおいしいと感じる理由
についてお伝えしていきます。
目次
おいしくても売れないの問題点
次の3つです。
- 露出されていない
- 買いやすくない
- 価値が伝わらない
露出されていない
こんなツイートがあります。
いちご、めちゃくちゃ美味しい。けどお客さん来ない。
見られていない、人の目にとまらないから売れない。
これが、露出されていない。という問題点です。
買いやすくない
値段も高すぎるってこともありますが、この場合で言う買いやすくないってのは、手段です。
ポッドキャスト内では、車通りが多い。
露出は高いけど、いちいち降りるのが面倒な環境だから、買う人がいない。
つまり、買いやすくない。という問題点です。
価値が伝わらない
農協出荷になると、適当につくった作物とこだわっだ作物が一緒になってしまいます。
結果、こだわりが伝わらない。価値が伝わらないです。
「いや、自分で直接売ってても駄目なんだ…」
という方もいらっしゃると思います。
そこで気にしていただきたいことは、
自分よがりになってませんか?
これが良いものだ!って押し付けてませんか。
人によって価値が違う
安い方がいい、栽培にこだわってるのがいい、その人のがいい、無農薬がいい。
安い方がいいっていう人に、いくら栽培にこだわってますって言ったって、伝わりません。
例えばみなさん、食器が欲しいとします。
どうです、みなさん100均に行きません?
結構オシャレなものだったり、シンプルで素敵なものあります。
そこで買いませんか?
そんなみなさんが、見た目は一緒なのに5万円もする、有名作家の白磁器欲しいですか?
「この器は、〇〇先生が何十年と作り方にこだわってきたもので、とても素晴らしいものなんです!」って言われたところでどうです?買いません。
農業も同じ
今の売り文句を農業に置きかえると
「このくだものは、〇〇さんが何十年と作り方にこだわってきたもので、とても素晴らしいものなんです!」って、
こだわりを求めていない人に言ってませんか?
農法にこだわってるのに売れないのは、その価値が意味をなさない人に訴求してるからなんです。
「いや、熱心に口説けば買ってもらえる!」
という方もいるかと思いますが、残念ながらそれはそのとき限りです。
しぶしぶ買わされた感で、不快に思い、snsで悪い評判がまわるだけ。
めぐりめぐって、販売した人にかえってきます。
以上が、価値が伝わっていない。という問題点です。
まとめ1
ここでいったんふりかえっておくと、
おいしくても売れない問題点
次の3つです。
- 露出されていない
- 買いやすくない
- 価値が伝わらない
でした。
じゃあどうしたらいい?
結論としては、
自分の価値が伝わりそうな人に向けて露出する、訴求することです。
でもどうやって?
こだわりの食材を販売するイベントだったり、そういった食材を扱ってるお店や業者さんにお伺いしたりすれば、自分に合うお客さんに訴求しやすい。
営業したことないです…
今ならsns使いましょう。
「自分、こういうものです。」って発信することで、「こういう人いないかな?」って、検索する方に見つけてもらえます。
もしくは自らコメント残しにいったりしましょう。
snsは出会いの場なんで、自分の価値が伝わる人とマッチする可能性が高いです。
僕はどうやって売ってきた?
マルシェに参加してました。
当時の僕は、SNSをあまり使いこなせていませんでした。
そこから少しずつですが、お客様になっていただけてます。
常連さんとは今でもつながってます。
だから身をもって体験したからこそ、言えるんですね。
自分の価値が伝わりそうな人に向けて露出する、訴求する。
経験談
同時に、取引先だった当時の社長からも同じことを教わりました。
どういうことかというと、
スーパーだったんですが、おいしいものを届けようと思って、完熟のものを納品させていただいたんですね。
そしたら、傷みのクレーム、日持ちのしなさのクレームですぐに見切り品になってしまいました。
そこで学んだのが、スーパーでは日持ちがするものに価値をおいていること。
相手の価値が合わせて、こちらが出荷するべきだってことに気付かされました。
「おいしい」に妥協できない
「いや、うちは美味しいものしか出荷しない!」
と言う方は、美味しいものを求めているところへ出荷するべきで、市場出荷、日持ちを求めるところには合わないですね。
まとめ2
取るべき行動は
自分の価値が伝わりそうな人に向けて露出する、訴求する。
です。
以上が、前半のおいしくても売れない問題点と、その対処法という内容でした。
おそらくここまで聞いても、
「自分の価値が伝わるところに訴求する」っていっても
「うちのは本当に美味しいんだよ。他とは違うんだよ!
だから美味しければ売れるんだ!」
って思われる方いらっしゃると思います。
なので、ここから話の後半に入っていきますが、
ここから本質に迫っていきます。
「なんで人は美味しいと思うのか?」についてお話していきます。
なんで人は「おいしい」と思うのか?
結論から言うと、
「その作物の背景がおいしくさせているから」です。
背景を情報って変えてもいいです。
「何?食べて美味しい!ってなるから美味しいと思うんだよ。」
って思いますよね。
確かにみなさんの野菜、くだものは美味しいんです。
間違いないですし、ほかよりも美味しいのも事実です。
ただ、
ここで現実をお伝えすると、大半のお客さんって
そこまで美味しさの差に気付かないです。
玄人だからわかる「おいしい」
生産者だからその差はわかりますけど、それは玄人だからこそ分かる差であって、世の中の方は分からない。
つまりは無意味なんですね。
〇〇農法で作ってます、〇〇農法だ!っていっても世間一般の人が食べてもそこまで差がないのが現実です。
いい例が、ダウンタウンの浜ちゃんの「芸能人格付けチェック」。
見た目どちらも同じようだけど、どちらかが一流、どちらかが平凡なもの。
世間一般の人がみてもそこまで差がない。わかりません。
これと一緒です。
なんで人は選ぶの?
「いや、うちのは買ってもらえてるよ!?
おいしいって言ってもらえてるよ。」って
思われるかもしれません。
確かに、市場用よりも完熟にしたもの(くだものの場合)のほうが、おいしいです。
ただ、AさんとBさんふたりとも完熟のもの、同じ品種を並べたとき、ほぼ美味しさの差はありません。
それでもAさんのものが選ばれたり、いやBさんのものがいいってなったりしてます。
なぜか?
それはあなた自身のストーリー、思い、人柄に共感して買ってる。美味しいと思ってる。
つまり、何が言いたいかっていうと
価値は背景、経緯で決まる。
ということです。
〇〇さんのはこういう農法で〇〇で…っていう情報で「だから美味しい」満足してるんですね。
この「人」が育てたものがいい!っていうのに価値があるんですね。
おいしく感じるいろんな例
自分で育てたもの、初めて育てたものが美味しいと感じませんか?
それはそれまでの経緯、育ててきたストーリーを知ってるから。
ブランドの服。
作りは可もなく不可もなくだけど、いいもの着てるって思う。
それは洋服のストーリーを知ってるから。
どこどこのブランドだからいいもの着てる!満足!ってなる。
プロのイラストレーターの絵と、
子供が自分に描いた絵。
どっちに価値があるか?
何も背景をしらない状態で絵を見れば、それはプロの作風のほうが価値はあるかもしれないけど、
自分の子供が描いたっていうストーリーを知ってるから価値が上がる。
話の前半でも例にあげましたけど、
まったく見た目がおなじお皿。
片方は100円、もう片方は5万円
なぜ5万もつくのか?
それは有名作家がつくったから。という背景があるから。
はまちゃんの「芸能人格付けチェック」も
どっちが高くてどっちが安いのかわからない。
でもなんで、そんなに高いの?
そこには背景に価値が生まてるから。
そのもの自体に差があったら、一流芸能人が迷ったり間違ったりしないですよね。
間違うからコンテンツとして面白いですけどね。
まとめ3
「なんで人は美味しいと思うのか?」
結論から言うと、「その作物の背景がおいしくさせている」からです。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
生産にこだわること、おいしいものを作ることは大前提ですが、
自らの情報、思い、などを一緒に盛り込むと共感してお客様になっていただく方とご縁があるかと思います。
こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。
「もっと、農業に夢中になっちゃおう。」
みなさんに、もっと、農業に夢中になっていただきたい想いで、
いろんな農業に関する情報発信をしています。
【ゆびあぐり】のSNS一覧
https://lit.link/yubiagri
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
written by 農業、始める