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借りちゃいけない畑【僕が失敗してきました】

借りちゃいけない畑の様子

今、これをご覧のあなたの中で、借りちゃいけない畑ってわかりますか?

「農業やりたい!だから畑を借りたい!」
けど、「どんな畑を借りたらいいんだろう?
って悩んでませんか?

いざ借りた畑の中に入ってみたら、
「あれ、ちょっと不便」「結構大変…」
って思ったり。

実はですね、借りちゃいけない畑の特徴ってのがちゃんとあるんですよ。
もうシンプルです。
僕はこれまで畑の数、枚数でいったら、50箇所以上は実際に借りて営農してきました。
それ以上に畑を見てます。毎年農家さんが「畑を借りない?」って相談が来て見に行ってます。

ですので、
今回の内容をご覧いただくことで、「なんで借りちゃったんだろう…」って後悔しない畑選びができるようになり、あなたは苦労することがなくなります。
誰でもすぐにできます。

畑選びでお悩みのあなた、今の畑にご不満のあなたにとってお役に立てれば幸いです。

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前半:借りちゃいけない畑の特徴

いろいろあるんですが、その中でも優先的に見ておきたい特徴を5つあげます。

次のとおりです。

  • 農機が入らない
  • 急すぎる斜面
  • 家の近く
  • 道路側
  • となりがヤブ

ひとつずつ見ていきます。

農機が入らない

本当にそんな畑あるの?
あるんですよ。

30センチくらいの石垣の段差があって、畑の中に入れることができない。
畑の前に肩幅ぐらいの水路があって入れない。
もしくは人の畑を通ってじゃ無いと入らない。
これは結構、致命的じゃないですか?

あなたがもし炎天下の中、体育館ぐらいの広さの畑を「よし、乗用モアで草刈りしよう」、「時期になったからトラクターで耕そう」ってなったときに、それが使えないわけですよ。
「うそだろ」「ここ全部、手でやるの?」ってなってことになりますよね。
「乗用モアで走れば20分で終わるのに、もう3日かかってる…」汗だくになるし、体は痛いし…なんてことになりかねない。

大事なことは、想像してみてみることです。
「ここの畑はどうやってモアが入るかな?」
「せぎとか無いかな?」

人の畑を入るぐらいならいけるんじゃない?

気をつかいます。
どんな人かわからないし、基本農家さんは癖強なんでいちゃもんつけられることも。
そんな心配したくないじゃないですか。
であれば、やめておきましょう。

水路とかせぎだったら、アルミブリッジ使えば?

置いてそのままにしておいてもよければ良いですけど、
車の通るコンクリの道とその畑にずっと置いとくわけいかないですよね。
いちいち置くのも手間ですし。
やめておきたいです。

以上が、1つ目・農機が入らないの内容でした。借りちゃいけない畑です。

借りちゃいけないぶどう畑

急すぎる斜面

これも先ほどの、農機が使えないっていうのにも当てはまりますが、
いやでしょ?斜面で作業するの。

この場合どれくらいの急斜面なの?

常に前かがみになっている状態。
常に山登り状態、あなたは常に登山しながら農作業するわけですよ。
のぼってはゆっくりおりてのぼってはゆっくりおりて。

僕はくだもの農家なんで、脚立使いますけど、
脚立の掛け方も大変だし、
収穫したものを持ち運ぶのも大変。

それこそ農機なんてもってのほか。
大変しかない。

以上が、2つ目・急すぎる斜面の内容でした。借りちゃいけない畑です。


家の近く

どうです?
例えばもし、あなたが借りようとしている畑のとなりが家だったら?
何が問題かっていうと3点あります。

  • 騒音問題
  • 飛散問題
  • 監視問題

騒音問題

日中暑いから、まだひんやりしている早朝5時にトラクターで耕そう。
ってなって、遠くの鳥のさえずりが聞こえる中、「よし、いくぞ」ってエンジンの回転数上げて、ガーって大きな音を立てて。

お隣さん、強制起床です。

それがお隣さんが休みの日だったら、なおさらピリピリします。
そして関係が悪くなって、トゲトゲしくなって、やりにくくなっていくわけです。

僕の経験談

僕、夏場の早朝草刈りを刈払機でやってたら、いきなり後ろから肩たたかれて「え?何?」って振り向いたら、
パジャマ姿の50代のおじさん、サンダルはいたままで畑の中入ってきて、
「今何時だと思ってる!?」って怒鳴られましたからね。
そこの家、30メートルぐらい離れてたけど、そんなでしたね。

で、畑の隣が老人ホームで「ここも迷惑かかっちゃったかな…」と思って、8時に謝りの電話入れたんですね。
「すみません、早朝刈払機うるさくしちゃってて申し訳ないです」って。
そしたら若そうな男性の担当の方が「いや、とくに入所者さんからのクレームなかったですよ」って
言ってくださって。

そこで僕、気づいたんです。
「あ、耳が遠くてよかったー」って。

刈払機でさえ、こんななんで
乗用モアとか刈払機で草刈りするときも、音はうるさいし、こっちが気をつけていても
刈った雑草を飛ばしてしまうおそれもあるわけです。
これが・飛散問題です。


飛散問題

そこに車があったらどうです?
あなたが刈払機で、飛び散った草が車に張り付いて、あれ、乾燥しちゃうと細かいの取れないんですよ。

でもまだいいんです。
雑草を飛ばすぐらいなら。

これが小石を飛ばしたらどうですか。

どんなにこっちが気をつけていても、小石を飛ばしちゃうことあります。
僕、以前車のフロントガラス割ったことありますからね。

乗用モアで車の脇を走ったら、割れてました。
それ以来、車の近くは走らない。近くすぎる場合は、ガラスにトラックシートをかけておきます。

これは草刈りの場合ですが、防除についても同じことが言えます。
人によっては早朝に防除するとき、前日に連絡がほしい。電話してほしい
って方もいます。


防除が終わるまで、車を避難しておくとか、洗濯物を干さないようにするとか
そういったことをするんですね。
でも、急遽やらなきゃいけないときとかあるわけです。

「雨がふりそうだ!やらなきゃ」
「病気が出ちゃってる、すぐ対処しなきゃ」とか。

あなたはすぐに行動したい!でも、すぐには出来ません。

なぜなら、そこに車があるから。
そこに洗濯物があるから。
そこに布団が干されてるから。

「やりたい!」ができない。仕事ができないんですね。

さらにやりづらいケースがあります。
それが・監視問題です。
その家が、畑の地主さんの場合が特にそうです。


監視問題

地主さんなら農作業に理解があるんじゃない?
確かにそういった音の部分は大丈夫なんです。

問題は、常にチェックが入るってことです。
地主さんなんで、昔は農業をそこでやっていたおじいちゃんとかいるわけです。
そこで比べられるわけです。

「もっとこうしたほうがいい」とか
「なんでこんなことしてるの」って。

あなたに電話が入ります。

そこでいろいろやりとりが生まれちゃうわけです。

以上が3つ目・家の近くの内容でした。借りちゃいけない畑です。

いけない畑をきれいに

道路側

この場合の道路っていうのは、車がよく通る道路のことですね。
これも先ほど家の近くと同じ問題が起こりうります。

想像してみてください。
もし、あなたがここの畑で草刈りをするとしたら。
やりづらいです。
どうやりづらいかというと、飛散問題の問題です。

草刈りの場合

乗用モアも刈払機も車が通るとき、危ないです。
刈っていても、道路側にいるときに車がとおるので、危ないです。

防除の場合

防除の場合だと、本当に早朝やらないとこっちが気が引ける。
出勤していく車に農薬かけたくないです。

車が多い分、通行人も多い。
学生だったり。
もう農薬散布できないです。

以上が4つ目・道路側の内容でした。借りちゃいけない畑です。

借りちゃいけない畑でも収穫はできる

となりがヤブ

例えばもし、あなたが借りようとしている畑のとなりが荒れてたりすると、害虫の被害が多いです。
山の中だと、それに加えて獣害も多くなる。
高い雑木があれば日陰になる。

そういった実害があるわけで、あまり畑を借りたくない。
ただ実はそういった実害以外でも、一番気をつけておきたいことがあります。

これ絶対に後悔しないように覚えておいて欲しいことなんですが、
それは何か?っていうと、
案内された畑のまわりが放棄地だったら、これはサインなんです。

どういうことか?

何かしら問題があって放棄地になっているんですね。

獣害が多かったり、土に問題があったり、霜の被害が多い、風害が起きやすいとか

でも、ここ借りたい!ってなったら?
まわりの地域の農家さんに、聞いてみてください。
事情を聞いてみてください。
それを聞いたうえで借りてみてください。

以上が5つ目・となりがヤブの内容でした。借りちゃいけない畑です。

ここまでが前半の内容でした。

ふりかえり

ここで一旦、ふりかえっておくと、

借りちゃいけない畑の特徴
特徴を5つあげます。

  • 農機が入らない
  • 急すぎる斜面
  • 家の近く
  • 道路側
  • となりがヤブ

ということです。


これを聞いたあなたは、
「よし、こんな畑、絶対借りないでおこう!」
って思うじゃないですか。

でもこれから農業を始めようとするあなたにとって、
紹介される畑の大半はこの特徴を備えてます
こういった属性を持っています。

「じゃあ、どうしたらいいの?畑借りれないよ?」
戦略があります。
畑一枚もない人間がとるべき計画があります。
それがこれからお話しする後半の内容です。

借りちゃいけないけど、収穫したぶどう

後半:農業始めたばかりの人がとる戦略

結論としては、「借りる」です。

え?
借りちゃいけないって言ってたでしょ?

だって、畑ないんですもん。
畑仕事しないと、何も始まりません。
ただ、ちゃんと条件をつけます。
それは、「3年契約」です。

とにかく長く借りませんっていうことです。

どういうこと?

踏み台にしてください。
ステップアップするための畑にしてください。
これ、僕が何が言いたいか?というと、
周りの農家さんに試されているってことです。

「農業したことが無い人間が、農業できるわけないでしょ。」
こういうスタンスで、みなさん遠くからあなたのことを見てます。

そこで3年間だけはしっかりと畑を管理、農作業をして、ちゃんと出荷して畑からお金をとる。
そうすると、まわりの見る目が変わります。
「こいつ、できるぞ」と。


いったん認められれば、あなたのところにいろんな畑の話がきます。
そのなかで条件のいいところが来たら、もう大切にしておきましょう。

よい条件の畑があつまってきた。
そしたら、最初に借りた条件の悪いところは
「契約満了なんで返します」
と返していきます。

まとめますと、
農業始めたばかりの人がとる戦略

結論としては、「借りる」
その借りている期間で、良い条件の畑を見つけていく。

終わりに

いかがでしたか?

借りちゃいけない畑の特徴をふまえつつ、今自ら取るべき行動を選択していきましょう。

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。

「もっと、農業に夢中になっちゃおう。」
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ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める

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