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【農業に関わる】いろんな手数料と、そこにひそむリスク

いろんな出荷手数料と、そこにひそむリスク1

手数料の疑問、ありません?

「手数料って、農産物を出荷したときにどれくらい取られるんだろう?」
「取引先によって、どれくらい仲介料の差があるのかな?」
って思ったことありません?

自分もそうでして、就農当時、もう謎すぎました。
「たとえ高く売れても、手数料引かれたらどんだけ手元に残るのかな?」
って思ったり。

今でこそ、15年近く農業やってきたから気づきましたが、
取引先によっては手数料の割合って、ホントさまざまなんだなって思いました。
もちろん、この手数料ってお取引先様が僕のかわりに仕事をしてくれたお礼なんで、
正当なものではあるものの、精算書みてみたら
「こんなにとられるの…」
場合によっては「予想してたよりもはるかに多い…」

逆にいろんな取引先様ごとの手数料を知っておくことで、こちらも計画が立てやすいと思うんですね。
そしてあなたが「どんなところへ出荷したらいいかな」って考えられると思います。

聞いていただくメリット

ですので、今回の内容を聞いていただくことで、出荷手数料がどれくらいとられるのかがわかるようになり、
あなたが営農する上で、取引先を選択する参考材料となり、判断の誤りが少なくなることによって、
あなたの理想とする農業を、遠回りすることなく実現できるようになります。

出荷手数料を把握してきたいあなた
どれくらい手元に残るのか知りたいあなた
にとって参考になれば幸いです。

話の流れ

*農業で関わった手数料について
*出荷先ごとの良いとこ悪いとこ
*僕が考える、ケース毎のお願い先
*希望金額を残すための計算方法
*番外編(派遣会社)
でお話ししていきます。

最初の1つ目のチャプターが今回の重要部分なので、
始めの2,3分だけお聴きいただければと十分です。

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農業で関わった手数料について

紹介する取引先は以下のとおり。
*農協(JA)
*市場卸業者
*市場
*出荷組合
*直売所
*生産者プラットフォーム
*ネット産直業者
*八百屋
*高速サービスエリア
*ネットショップ
*決済リーダー
*決済業者(振込委託)

ちなみに、紹介する売上は消費税を含んでいます。
ひとつずつ、みていきます。

農協(JA)

15%ぐらい

内訳の名称

*口銭
*農協手数料
*運賃
*共選費
*利用料
*運営費
*消費宣伝費

具体例(H27)

ぶどう

*売上21,600
*手数料 2,661
*割合12.3%

すもも

*売上15,200
*手数料2,342
*割合15.3%

ほかでも割合としては、5.98%、16.45%、14.82%とか。
ですので、ざっくり15%ぐらいです。

市場卸業者

13.5%

内訳の名称

*委託手数料(7%ぐらい)
*運賃(キロ24円とか)
*振込手数料(振込日)

具体例

R4枯露柿

*売上22,637
*手数料3,004
*割合 13.3%

R3 あんぽ柿

*売上20,736
*手数料2,788
*割合13.4%

H30 千両ナス

*売上15,660
*手数料2,543
*割合16.2%

R2 シャイン

*売上22,140
*手数料2,388
*割合11%


市場

8%

内訳の名称

*委託手数料
*振込手数料(振込日)

ただし、送料はこちらで手配してました。

出荷組合

15%

内訳の名称

*取引先手数料(11%)
*組合手数料(キロ15円)
*コンテナ使用料(キロ2円)
*年会費(3,160円)

直売所

16%

内訳の名称

*手数料16%+ラベル2円

生産者プラットフォーム

25%


ネット産直業者

25%

八百屋

30% (7がけ仕入れ)

高速サービスエリア

60%

ネットショップ

6.6%+40円+振込手数料

決済リーダー

3.25%

決済業者(振込委託)

*振り込み窓口:203円・ATM 152円
*代引き:1万円未満まで330円、 3万円未満まで440円
*コンビニ支払い:5%(税別)

まとめ

なので、取引先をざっくりくくっていくと、
*市場関係15%
*ネット業者25%
*リアル店舗30%
*決済系4%
です。
以上が1つ目のチャプターの内容でした。

いろんな出荷手数料と、そこにひそむリスク2

出荷先ごとの良いとこ悪いとこ

ここまできいて、
「じゃあ、手数料が低いところがいいですね!」
「高いところに出荷してメリットあるの?」
それが次の2つ目のチャプターの内容でして、
さきほど4つに分けたカテゴリーそれぞれについて
僕が感じた良いとこ悪いとこを紹介すると、次のとおりです。

良いところ

*市場関係:生産の都合でたくさん出荷できる
*ネット業者:集客してくれて、こちらが価格設定
*リアル店舗:農園に理解、応援がある
*決済系:自由度がきく

悪いところ

*市場関係:価格が不透明
*ネット業者:たくさん出荷できない
*リアル店舗:事務作業が多い
*決済系:すべて自分でやらないといけない

もちろん、これが全てにあてはまるわけではありませんが、
「この傾向があるかな」ってかたちで紹介しました。

ひとつずつ、みていきます。


市場関係

とにかく、生産に注力できるってところが最大の魅力です。
好きなときに出荷できますし、たくさん収穫できたら全部出荷できます。
「あとはお願い!」っていって丸投げできるわけですよね。

ただ、一方で価格は市場に左右されるので、高くなったり、低くなったり。
年によって高値、低値になったりと、予想がつかない。
市場に大量に同じ生産物が流れてたら、「箱代にならん…」って事態にもなりうります。

ネット業者

お客様を集客してくださるので、自分で営業することなく、高値で売れるところがいいです。
「ここのサイトで買いたい」っていうファンもいたり、離脱させないようにしてる工夫もあります。
価格もこちらで設定できますので、無駄に安値で販売するケースがなくなります。

その分、価格が高すぎてお客様からの注文が入らなかったり、
こちらがたくさん収穫できても注文数しか出荷できない制限がありますよね。

リアル店舗

なによりも、「あなたの農産物が欲しい」というところが魅力です。
だからお声がけいただけて、取引につながっていったわけですから。
もう生産者冥利につきます。
出荷量も注文分のみの場合もあれば、こちら都合でできる場合もあり、
ネット業者様よりは量が出荷できる印象です。

ただ、出荷時期のやりとり、見積書、納品書、請求書作成、その他もろもろ、
事務的にやらなきゃならないことが多いです。
生産だけに集中したくても、事務で丸一日潰れてしまうこともありました。

決済系

「もう、お金のやりとりのところは気にしなくていいよ」って感じなんで、
他はもう自由です。
こうやって売りたい!っていうのが一番実現できる形ですね。

これが逆に「負担すぎる…」って感じることもあると思います。
いろいろある中でも、やはり営業は負担大じゃないでしょうか。
自らお客様を見つけてくる、来ていただく、ファンになっていただく時間と労力を
どこまで費やせるかがポイントですよね。

以上が2つ目のチャプターでした。

いろんな出荷手数料と、そこにひそむリスク3

僕が考える、ケース毎のお願い先

ここまできいて、
「自分は営業なんて出来ないわ…」
「事務やりたくない」
って方多いと思います。
その人ごとのお願い先として考えてみたんですが、
それが次の3つ目のチャプターの内容でして、
結論は以下のとおりです。
*こっちの都合で出荷したい→市場関係
*すべて自分でブランドつくりたい→決済系
*どっちもやりたい→リアル店舗・ネット業者

そう考えた理由は、チャプター2のとおりです。

新規就農者はどこから始めるべき?

でも最初に始めるならどこがいいか?というと、
結論としては、市場関係です。

なぜなら、世の中に流通するスタンダードな農産物が作れるようにならないと、市場関係に出荷できないため、
これが基本となります。

ちゃんとした規格を作れるようになって初めて、他の取引先でも通用したり、
もしくは自ら考える規格が作れるようになります。

僕自身もまだちゃんと規格通りつくれないまま、自分で考えた規格で取引先様へ納品したときに、
「これだと売れないよ。」
っと言われて、返却された経験があります。

やはり、全ての基(もとい)は市場関係です。

絞らなくていい

ここまで聞いて、
「じゃあ市場関係だけ、まずは頑張ります!」
って思うかもしれませんが、もちろん1つに絞る必要はありません。

まずは市場関係をメインに、他もたずさわることで、可能性も広がります。
ましてや、あなたのファンを増やそうと思ったら時間がかかります。
その中でたくさんの試行錯誤がありますので、そこは経験を少しでも多く積んでおくと良いことあると思ってます。

まとめ

話を振り返っておくと、
僕が考える、ケース毎のお願い先は、
*こっちの都合で出荷したい→市場関係
*すべて自分でブランドつくりたい→決済系
*どっちもやりたい→リアル店舗・ネット業者

以上が、3つ目のチャプターでした。

いろんな出荷手数料と、そこにひそむリスク4

希望金額を残すための計算方法

ここまで聞いて、
「よし、自分はここの取引先様へ出荷していきたい!」
と思っても、
「手数料がこれだけ取られるけど、じゃあいくらで納品すればいいんだろう?」
「この金額は残したいけど、引かれても大丈夫な価格ってどう計算するの?」
って思われるかもしれません。

それが次の4つ目のチャプターでして、
すぐに計算できる数式があります。
これだけ覚えて、あてはめるだけですぐ算出できます。

実際の数式

[提示金額]=[手元に残したい金額]÷(1−手数料)

具体例

*100円を手元に残したい
*手数料25%
の場合、先ほどの数式に当てはめると、

[提示金額]=[手元に残したい金額]÷(1−手数料)
[提示金額]=100÷(1−0.25)
[提示金額]≒134円

なんでこういう数式か?については省略しますけど、
ざっくり説明すると、
手数用25%とられるなら、提示価格の75%が手元に残ります。
この、75%分が手元に残したい金額100円なので、
じゃあ、100%の場合は?って考えると導きやすいです。

以上が4つ目のチャプターでした。


番外編(派遣会社)

で、最後に出荷先では無いんですけど、
派遣会社さんへの割合を紹介しておこうと思います。
これが、最後、5つ目のチャプターですが、

おそらく忙しすぎる時期に、「この期間だけ来てください!」ってお願いしたい場合
あるじゃ無いですか?
そんなときに僕は派遣業者さんを頼っています。

人をお願いしたときの手数用はいくらなのか?
僕がお願いしてるところの手数料としては、
日額一人三千円 
です。

参考になれば幸いです。

終わりに

いかがでしたか?

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
あなたにとって、僕のこれまでの学びや経験、考えが参考になれば幸いです。
参考になりましたら、記事の購読をお願いします

それではまた別のコンテンツでお会いしましょう。
終わります。 

「もっと、農業に夢中になっちゃおう。」
みなさんに、もっと、農業に夢中になっていただきたい想いで、
いろんな農業に関する情報発信をしています。
【ゆびあぐり】のSNS一覧
https://lit.link/yubiagri

ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める

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