剪定前に知っておきたい8つのこと

<更新日:2023/02/01>
剪定をし初めてたころって、どの枝を切ったらいいのか悩みますよね。
農業の本には「こう切りましょう」って書いてあっても、なんだかピンとこなかったり…
これって、木の性格が分かるようになると、自然と理解が深まり、剪定の上達の近道になるんです。
僕自身これまで10年以上、くだものの木を切ってきました。
その中で得たこと、知識を今回まとめてみました。
これがわかっているだけでも、ハサミが動くようになると思いますよ。

目次
剪定前に知っておきたい8つのこと
- 木と根っこは連動している
- 栄養の偏りは、夏場は木に、冬場は根っこに
- 冬場、枝を切った分だけ強い枝が伸びる
- 夏場、枝を切った分だけ木が弱くなる
- 枝を伸ばしたい気持ちと、実をつけたい気持ちがあり、対立する
- 真上に伸びた枝が最も勢いがあり、垂れ下がっていくにつれて弱くなっていく
- 栄養の流れは、川の流れと一緒
- 枝の発生角度は狭いほど裂ける
理由
これが最低限、頭に入っていると、木を剪定するときに苦手意識がなくなるかと思います。
木の本質を知ればどんな状態の枝であっても、「木にとってどう枝を切ったらいいのか?」という思考が身につきます。
8個というのも初めての場合には多いかと思いますが、繰り返し読んで覚えてもらえたらと思います。

具体例
では、具体的にみていきますね。
木と根っこは連動している
木つまり地上部が大きくなると、根つまり地下部も張っていきます。
枝先のところまで根が張っているといわれたり。
土壌環境をよくすることで、地上部も大きくなっていきます。
栄養の偏りは、夏場は木に、冬場は根っこに
夏は枝を伸ばして体を大きくしたい!と木は思っています。
冬は葉を落として、夏場に稼いだ栄養分を地下に保存(落葉果樹)。
(※実際には枝にも栄養分を保存していますが、ここでは根っこに保存すると考えたほうがわかりやすいです。)
冬場、枝を切った分だけ強い枝が伸びる
前述の理由により、夏場100の栄養をつくって、冬場に100の栄養を保存します。
冬に枝数に減らして、80の栄養で足りる枝数にすると、翌春、残り20の栄養の行き場が余分になってしまいます。
すると、残っている枝に余分な栄養が流れて、強い枝になっていきます。
夏場、枝を切った分だけ木が弱くなる
夏場100の栄養でまかなっているところに、20の栄養分の枝を切ってしまう。
いわば、栄養をとってしまう状態です。
すると、木が落ち着きますし、たくさん切れば弱くなります。
枝を伸ばしたい気持ちと、実をつけたい気持ちがあり、対立する
まずは自分の体を大きくしたいステージ。(枝を伸ばしたい)
ある程度大きくなったら、今度は子供をつくりたいステージに。(実をつけたい)
体を大きくしたいときは、葉っぱの芽が多く、子供をつくりたいときは花の芽が多くなります。
真上に伸びた枝が最も勢いがあり、垂れ下がっていくにつれて弱くなっていく。
空に垂直に向かっている枝が最も強く、斜め45度、水平、下垂していくにつれて、弱くなります。
強く勢いがあると葉芽、弱く落ち着いていると花芽が多いです。
つる性の木でも同じです。種あり巨峰は、先端の枝を棚下におろして落ち着かせる技術があります。
栄養の流れは、川の流れと一緒
太く、まっすぐな枝は多くの樹液が流れ込み、曲がっている枝には少なくなります。
前述に関連して、太くまっすぐの枝の先端に、強い枝が発生します。
一方、曲がっている枝には落ち着いた枝が発生しやすいです。
枝の発生角度は狭いほど裂ける
(立木に関して)そういうものです。そういうものだと覚えてください。90度横に伸びている枝は裂けにくいです。

まとめると
剪定前に知っておきたい8つのことは
- 木と根っこは連動している
- 栄養の偏りは、夏場は木に、冬場は根っこに
- 冬場、枝を切った分だけ強い枝が伸びる
- 夏場、枝を切った分だけ木が弱くなる
- 枝を伸ばしたい気持ちと、実をつけたい気持ちがあり、対立する
- 真上に伸びた枝が最も勢いがあり、垂れ下がっていくにつれて弱くなっていく
- 栄養の流れは、川の流れと一緒
- 枝の発生角度は狭いほど裂ける
です。

剪定の心構えで大切なこととは
最後に、剪定するうえで大切な心構えをお伝えします。
それは、木の都合と人間の都合のバランスを考えること。
なぜなら、おいしい実を長く収穫していたいですもんね。
木の都合だけだと、真上にどんどん伸びていきます。
一方、人の都合だけだと、実を付けすぎて、木も大きくならないし、弱っていってしまいます。
この双方のバランスをとりながら、剪定をしていくのが重要かと思います。
いかがでしたでしょうか?
ぜひみなさんも、参考にしてみてくださいね。
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ご覧いただきまして、ありがとうございました。
written by 農業、始める。
