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果樹をコンパクトに仕立てるには?

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みなさん、あまり木を大きくしたくない、農業用の高い脚立に登って作業したくないって思いませんかね?
コンパクトにするポイントが頭に入っていないと、
知らずしらずのうちに木が巨大化して手がつけられなくなったりしますしね。

新たに借りたすももの畑はたまに、高すぎる木があって作業効率が悪かったりします。
ですので、新たに植えた木というのは、なるべく6尺の脚立で足りる程度の大きさ、
コンパクトにしています。

もしかしたら、みなさんからしてみたら大きい方かもしれませんけどね。

果樹をコンパクトに栽培するポイント

  • 樹勢を抑える栽培

いくつか方法がありますので、この「樹勢を抑える栽培」が大事ってことを
意識してください。

理由

どうして、そう考えるかというと、
仮に、樹勢が強い木を思い浮かべてください。

当然ながら、樹勢が強いと一年で伸びる枝の長さは長くなります。
枝の量も多くなります。

どんどん木は成長していって、大きくなります。
それでもコンパクトな大きさにとどめておきたいと思って、
切っていくと、たくさん切ることになります。

強剪定になり、また樹勢が強くなる。
悪循環ですよね。

なので、この「樹勢を抑える」ってとこが大事になってきます。

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具体例

具体的に「樹勢を抑える栽培」はどんなのがあるかというと、 方法を5つ考えてみました。

  • 主枝の数を多くする。
  • 弱剪定を心がける。
  • 枝を誘引する。
  • 窒素肥料を控える。
  • 根域を制限する(植え付け時のみ)。

ひとつずつ、みていきますね。

1.主枝の数を多くする

主枝というのは、木の骨格となる太い幹のこと。
太い幹、主枝を何本か作ることで栄養を分散することができます。
主枝の本数が少ないときよりも樹勢が落ち着きます。

たとえば主幹形といった、真上に一本主枝があるような樹形よりは、
開心自然形といった主枝を2本、または3本くらいで構成したほうが、
樹勢の強さを1/2, 1/3に分散できます。
1本増えるだけでも凄いですよね。

じゃあ、10本にします!ってなると、逆に多すぎて、
コンパクトどころじゃなくて、
そもそも実がつかない枝ばかりってことにもなりかねません。
ほどほどが大事ですね。

2.弱剪定を心がける

弱剪定っていうのは、あまり枝を切らない剪定のことです。
あまり切らないことで、木の反発を最小にすることができます。
樹勢も落ち着きます。

基本は「間引き剪定」を中心に行う事が大事で、
「切り詰め剪定」は、主枝の先端のみ軽く切るぐらいがいいです。

3.枝を誘引する

斜め45度以上に向かっている枝を、水平に近いぐらいにロープで引っ張って誘引する。
人工的に樹勢を落ち着かせる手段です。

4.窒素肥料を控える

窒素成分が多い肥料と控えるってことですね。
窒素は葉や枝の成長を促します。
ですので、これを控えてあげることが大切です。

かといって、窒素が全く無いと困るんですよ。
化成肥料は基本即効性ですので、じわじわゆっくり効いてくる有機質の肥料や
堆肥での施肥がいいんじゃないかと思います。

有機質肥料の中でも、鶏糞は窒素多めですので、注意してください。
牛糞が無難ですかね。

5.根域を制限する(植え付け時のみ)

根っこの広がりを抑えるってことです。
地上部が大きい分、地下部も大きくなっています。
連動しています。

ですので、地下部、根を大きくしなければ、地上部も大きくならない
ということですね。

想像しやすいのは、地植えの木と、ポット植えの木では、
地植えの木のほうがぐんぐん大きくなりますよね。
ポットは根域が制限されていますので、
大きくなりません。

「でも、ポットだと水やりが大変だし、やっぱ地植えがいいなぁ」という
方いらっしゃると思います。
そういう方は、大きな不織布の袋を使いましょう。

植え付けのときに、穴を掘って、不織布の袋に土をいれて、苗を植え付ける。
その袋ごと、掘った穴に入れて、育てる。

不織布は水は通すけど、根は通さない。
これで根域を制限できます。
多少は根が破ってでるかもしれませんけどね。

調べてみたらamazonにありました。

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そうはいっても

樹勢をおちつかせて、コンパクトにしたら、
実をつけたときにすぐに弱っちゃうんじゃない?
って思われる方もいらっしゃると思います。

おっしゃるとおりです。

そもそも樹形をコンパクトにすると、根の発達は抑えられるので
衰弱しやすいんです。
その上、実をならせれば一層、負担がかかります。
木の寿命が短いとも言われていますね。

ならば、どうするか?

実がなるようになってきたら、少々強く切りましょう。
実がなるステージになれば、木の反発が過度に刺激されることはありません。

実がなる前に強く切るから、花芽の形成が遅れて、木の成長が促されて、どんどん大きくなるんですね。
実が成ってから、少々強めに切りましょう。。

まとめると

「樹勢を抑える栽培」をすること。
具体的には、

  • 主枝の数を多くする。
  • 弱剪定を心がける。
  • 枝を誘引する。
  • 窒素肥料を控える。
  • 根域を制限する。

果樹をコンパクトに栽培するポイント
(これがいいんじゃないかなと思っています。)

ここまで聞いて、気づいた方もいらっしゃると思いますが、
先程の5つって別に果樹でなくてもいいんですよね。(植木にも通用します。)

ですので、今度は果樹ならではの視点にたって、木をコンパクトにするポイントを
紹介したいと思います。

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果樹ならではの、コンパクトにするポイント

若木に実を成らせること
ですね。

木は、栄養分の使い方は2通りあります。

  • 自分の体を大きくするため
  • 自分の子孫、果実をならせるため

に使います。

実に栄養分を使っていけば、自分の体、木の体を大きくするほうに使う栄養は少なくなりますよね。
すると自然とコンパクトな樹形になるわけです。

逆に、若木のとき、幼少期に実をならせず、強剪定をすると、
反発して自分の体を大きくするほうに栄養を使います。

となると、花芽がつきません。
花芽がつかない、つまり花が咲かない、実がつかないと、実に栄養を使えないので
自分の体である枝は太くなり、根は成長し、木は大きく、枝数が増えます。

増えた枝をたくさん切る。樹形を整えると、これは強剪定になります。
木はまた、反発して自分の体を大きくし、実がつかない。

これ、冒頭でもお話しましたよね。悪循環です。

ですので、若木に早くから果実を成らせれば、
じぶんの体の成長は抑えられて、枝もあまり肥大せず、
樹形の拡大はゆるやかになります。
コンパクトな木を維持できます。

もう一度いいます。

コンパクトにするには「若木に早くから果実を成らせる」。
若木に早くから果実を成らせるためには、花を咲かせる芽、花芽をもった枝が必要。
花芽をもった枝というのは、樹勢が落ち着いていないと、出てきません。
つまり、樹勢を抑えないといけない。

樹勢を抑えるためには、
前半で紹介した5つの方法が適している。という話につながっていきます。

そうはいっても、若木のときにしっかり骨格をつくらないといけないから
強剪定になるよね?
と思われる方がいらっしゃると思います。

確かに、若木のうちに主枝を明確にしていくことで、かちっとした樹形をつくることができます。
ただ、その骨格づくりも、「この木をどのくらい大きくしたいのか?」が明確であれば、
切る量を少なくしてあげるだけで強剪定までいくことはありません。
「切り詰め剪定」の度合いを弱める意識で結構です。

余談ですが

僕の場合をお話すると、すももの木を3メートルくらいの高さにしたいので、
若木のうちは強剪定して、反発させて木を大きくする。

身長を超すぐらいの高さになったら、そろそろ実を成らせるために
剪定を弱めにしていく。
そして安定して実が取れ始めたら、またすこし強めに切る。という感じです。

一番の理想は、言葉は悪いですが、「生かさず殺さず」の状態です。
実をしっかりと成らせる、だけど木を弱らせないという、絶妙なバランスが理想ですね。

written by 農業、始める。

https://youtu.be/LSNOOiiAf8A
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