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【実証済み】耕すとフカフカな土(団粒構造)が無くなる件。

団粒構造を壊す機械

今、あなたの中で、「畑をフカフカな土にするために、たくさん耕せば良い」と思ってません?
実はこれ、フカフカな土をつくってる「団粒構造」っていうのを破壊してる行為なんですね。

でも、耕すと畑の土が柔らかくなって、足を入れるとズブズブってハマったりするじゃないですか。
確かにこれって、土が柔らかくなってはいますけど、これは一時的なものです。

こんな経験ありません?

あなたは畑の土をスコップで掘る。
掘ったときの土を、そのままその穴に入れ戻すと、
土が足りなくなりますよね。

これは土の中にあった空気が無くなってしまっているからなんです。
この空気はもともとどこにあったか?
というと団粒構造内にあったんですね。

その団粒構造が崩れたから、空気が無くなった

団粒構造が崩れることで、野菜や果樹にとって良い生育条件も崩れてしまう。
つまり、生き生きと育てることが出来ていないんです

じゃあどうすればいいか?
その内容を今回お話ししていきます。

フカフカな土をつくりたいあなた、
作物を生き生きと育てて美味しい野菜や果物をつくりたいあなた
にとって参考になれば幸いです。

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土壌団粒について

土壌団粒とは?

とても小さな土の粒が、くっついたものが、集まっているもの。
団粒と見えたものが、じつは有機物の塊であったりすることも多いんですね。
一般には、肉眼で団粒を見分けるのが難しいです。

なんで土壌団粒が必要なの?

土壌団粒は、土の中に、水と空気を蓄える能力を増やしています。
植物が生育するためには、水だけじゃなくて、根っこも呼吸するために酸素が必要。
なので、土壌団粒があると、作物は生き生きとする。育てるのに必須。

どんな種類があるの?

団粒は「ミクロ団粒」と「マクロ団粒」にわかれています。
ミクロ ちいさな粘土の粒や植物の破片(有機物)、細菌の細胞が固まって出来てます。

どうやってくっついてるの?

微生物、細菌がつくる粘物質でくっついます。

マクロ ミクロ団粒と植物遺体の断片が、植物の根(に共生してる菌根菌(糸状菌の一種))や糸状菌菌糸のねばねばによって絡み合わさってるんですね。

何が言いたいかって言うと、
マクロはミクロが集まって作られてる。

で、このマクロが、農業でいう土壌団粒のことだと思ってください。
マクロがあることで、ミクロとミクロの隙間ができて、そこに通気性、保水性、保肥性がある。
だから植物は生き生きと育つ。
このマクロがあることが大事。

団粒構造が無くなった畑

耕すと土壌団粒がなくなる

研究では、畑よりも草地(そうち)の方が団粒が多いことがわかっています。
その理由としては、
植物の根が、ミクロを結合してマクロの形成を促しているためです。

あと、ミミズも団粒をつくっています。
有機物と土壌を食べて出した糞が、そもそもマクロですね。

ミクロとマクロの性質について🌱

ミクロ団粒は、安定した団粒で、耕したり、雨が降っても破壊されない。
マクロ団粒は、簡単の崩壊する。有機物を施肥することで生成が促進される。
つまり、植物がいきいきと育つためのマクロは簡単に無くなっちゃう。

どうすると団粒は無くなっちゃうの?崩れちゃうの?

耕すと崩れちゃいます。
まず、自然の状態、何もしない状態だと、有機物の含有量は増えてくけど、
そこを耕すと減少しちゃいます。
つまり、土壌団粒が無くなっちゃいます。


土壌団粒が無くなるメカニズムは?

耕すと通気性が増すことで、
好気性(酸素で生きている)微生物が活発になります。
活発になると、土壌中の有機物を分解し始めます。
分解し始めると、もちろん有機物は減ります。

土の中の有機物の減る、つまり土壌団粒の形成に関わってた有機物も減る。

土壌団粒って、小さな土の粒や有機物とかが、ねばねばでくっついてたものですよね。
その有機物も分解されるわけで、最終的には土壌団粒はくずれてしまいます。

これが土壌団粒がなくなるメカニズムです。

実証実験では

1986年にエリオットさんっていう人が論文で発表してます。
それによると、
畑にすると、草地の状態の20%以上は少なくなって、土壌有機物が耕作によって明らかに減少していた。とのこと。
もちろん、マクロも大きく減っていた。

なぜか?

有機物供給が低下することが原因とされてますが、それによって、マクロの形成に関与する有機物も減少するためにマクロも減るんですね。

耕さないと農業できないけど…

でも、話の冒頭にも言ってたけど、耕すって農業の基本でしょ?
できるだけ丁寧に深く耕すことがいいでしょ?

でも、耕すことで土壌有機物は減少して、土壌団粒も減少する。
土壌団粒が減少すると、風は雨による侵食を受けやすくなる。

これにより、作物を生き生きと育てるどころか、風と雨で侵食被害まで発生してしまいます。

団粒構造を壊していない畑

その対処法について

どうしたら土壌団粒を維持しながら、農業できるの?
みなさん考えました。
とくに侵食被害も出てる。
まずこの侵食被害をどうにかしないと…

そこで侵食を防ぐ技術なんだかわかります?
それが、不耕起栽培

1930年代、アメリカで侵食被害が多発したのをきっかけに、不耕起栽培が採用されて、
米国、南米、カナダ、オーストラリアで普及していきました。

不耕起栽培は耕起した場合と比べて、団粒を増加させることが認められています。


本当に団粒が増えてるの?

大豆畑で試験してます。
不耕起栽培14年目だと、通常の栽培よりもマクロ団粒の割合が1.5倍に増えています。

不耕起ってことは草を生やしているところがあるわけですよね。
草生だと、草刈りをして自然と有機物が補給されていくから、団粒も増えます。

耕す場合、団粒はどうする?

耕す畑の場合は団粒を維持するためには、
なんらかの形で有機物を補給しなきゃいけません。

土壌団粒を増やすには草刈り

じゃあ、どんな有機物がいいの?

施肥する有機物資材によって団粒形成の具合がかわってきます。(アビヴァン2009)

鶏糞、下水汚泥、ナタネ油粕のような易分解性グループ

土壌中で分解しやすいから、施肥直後の団粒形成能力は高いけど、効果は一時的。

稲わらのような中間グループ

比較的難分解性。
分解はやや遅く、団粒形成能力は高いけど、効果は堆肥ほど持続しないです。

堆肥のような分解しにくいグループ

分解はゆっくり。団粒形成能力は高くないけど、長期間にわたって、効果が持続します。


土壌団粒の機能維持を目的として、有機物施用を行うならば、堆肥のような腐熟有機物が一番いいです。
なかでも、最高なのは、
易分解性有機物が比較的多く残存している中熟程度の堆肥です。
完熟堆肥の一歩手前ぐらいのものですね。

完熟堆肥は、易分解性有機物がすでに分解されてるから、分解が遅く、団粒形成の効果は小さくなります。


実際、有機物いれてどうだったの?

団粒形成効果は、有機物を施肥すると増加しました。けど、堆肥を過剰に入れると作物の生育を阻害してしまいます。
カナダでの試験では、
10aあたり2tの牛糞堆肥の連用で、マクロ団粒が増加。
北海道中央農業試験場では、
10aあたり2tの堆肥連用で土壌団粒の維持できてます。

団粒構造が増えますように。

ここまできいて、

果樹だったら、草生栽培でも全然いけるからいいですけど、
全面的に耕す野菜だとどうなのか?って思いますよね。

果樹で草生なら、雑草を刈って、それが有機物でどんどん蓄積されてく。
自然農法とかなら問題なくとも、普通のスタンダードな野菜づくりする場合には
どうしたらいいのか?

野菜の場合はどうしたら?

野菜の場合には、作付体系にイネ科作物を導入することで、
団粒維持に役立たせることができます。
イネ科は根量が多いことから、
栽培中は根による団粒形成効果があり、
残根による有機物補給の効果もあります。

これが精一杯なようです。
もちろん耕すと減るんで、そこはうまくバランスをとるべきかと。


終わりに

いかがでしたか?

とりあえず、しっかりと耕せばなんでも良いわけではありません。
土壌のことを考えながら、バランスを見極めて作付けしていきましょう。

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
参考になりましたら幸いです。

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ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める

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