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直接販売してきた僕がJA出荷を経験してみて

直接販売してきた僕がJA出荷を経験してみて1

「JA出荷してると、手数料たくさん取られる…」
「直接販売したほうが、高く売れるんじゃ無いかな?」
って思いますよね。

自分もそうでして、就農当時は「取引先を増やしていくぞ!」と意気込んでいった記憶があります。
そこから就農3年目には全量取引先へ出荷することになり、去年までそうでした。

実は今年、なすを農協出荷することになり、ひさびさに共選というものを経験したんですが、
「懐かしい」と思いつつも、改めていろいろなことが見えてきました。

ですので、今回のお話から、農協出荷でいくか?取引先を開拓するか?のヒントになればと思います。

農協出荷でお悩みのあなた、
取引先を開拓しようか迷ってるあなた
にとっても
参考になれば幸いです。

※僕の出荷してる農協はくだもの中心で、少し野菜も取り扱ってるような地域です。

直接販売してきた僕がJA出荷を経験してみて

僕の中で真っ先に思ったことがあります。
それは楽だっていうことです。

その理由が次の6つです。

  • 生産に集中できる
  • 収穫できた分だけ出荷
  • 単価が意外と高い
  • クレームがない
  • どんなものでも買取
  • 見た目基準

生産に集中できる(ひとつめ)

一番のメリットじゃないですかね。
目の前の農作物にだけ集中できるのが、いかに楽なのかというのを今季味わいました。

農協が欲しいもの(適正な大きさで見た目重視)をちゃんと作れるかどうか?
ここにさえ注力すればいいので「売り先あるかな?」「どれだけ売れるかな?」っていう心配は不必要です。

収穫できた分だけ出荷(ふたつめ)

農協出荷してる方にとってみたら、「当たり前だろ」って思われるかもしれません。

逆に直販だと、こんな不安がつきまといます。
「いつ、どれくらい出荷しなきゃいけなかったんだっけ?」
「注文、どれだけくるかな?
「収穫量が少なくなってきたけど、あの日の注文分、対応できるかな?」
と不安になることもありません。

ちゃんと適熟なものを、その分だけ収穫して出荷するだけでいいんです。
それを毎日繰り返すだけで、とても楽です。

直接販売してきた僕がJA出荷を経験してみて2

単価が意外と高い(みっつめ)

周りの農家さんとお話ししてても、「昔よりもだいぶ値崩れ起きなくなった」って言われます。
今季はナスでの話でしたが、他にもすももやもも、ぶどうに関しても同じことをここ数年、耳にしてます。(2024年現在)

実際に出荷していると、いろんな作物の単価が見れますが、僕が予想してたよりも意外と高かったです。

手数料とかは?

ここまで聞くと、「そこから資材代とか手数料とか引かれるでしょ?」って思われるかもしれませんが、
それも込みでも予想以上。

もちろん単価の上がり下がりはありますが、その産地だからこそのブランドが生きているせいか、
一気に急降下とかの話は出てきませんでした。

理由としては、生産者が少なくなって、出荷量が減ってるからこそだと考えてます。

クレームがない(よっつめ)

直接、農家にクレームが来ることはありません。
そこは農協が盾になって守ってます。

もちろん、変なものを出荷したら、農協から注意はされると思いますが、
直接販売だとダイレクトにクレーム対応しなきゃならないので、結構大変ですし傷つきます。


どんなものでも買取(いつつめ)

見た目が立派のものでなくても、等級を落として出荷できます。
もちろん単価は安くなりますが、廃棄しなきゃならないなんてことはありません。
なんでもとにかく買い取ってくれる安心感は、かなりありました。

ただ、野菜の一大産地となると、逆に出荷する手間を考えたら廃棄したほうが…ってことがあるかもしれません。

見た目基準(むっつめ)

正直、味ではなく見た目です。
見た目がいいものは「うわー立派!」→「おいしそう!食べてみたい」って連想がいくものなので、
見た目で出荷です。

もちろん最低限の商品性になりうる味であることは大前提です。
シャインマスカットは緑色なので、糖度が来てなくてもピカピカなら出荷できてしまい、
結果として評判を落としてたりもします。

だけど、農家さんはとにかく秀品として出荷できればいいわけで、どんどん収穫するんですよね。
クレームが来ないからこその問題点ではあります。

まとめ

いったん話を振り返っておきますと、
直接販売してきた僕がJA出荷を経験してみて
僕が思ったことは、楽だってこと

その理由としては

  • 生産に集中できる
  • 収穫できた分だけ出荷
  • 単価が意外と高い
  • クレームがない
  • どんなものでも買取
  • 見た目基準

やはり「餅は餅屋」で、農家は本来、栽培に集中したほうが理想ですよね。
ただここまで聞いて、「じゃあ農協出荷だけでいいね!」って思われるかもしれませんが、
もちろんデメリットもあったりします。

先ほどの理由の中でもお伝えしたとおり、「食べておいしいものを売りたい!」って想いは叶えられません。
それらも含めて、知っておきたい農協出荷のデメリットを考えてみました。

直接販売4

知っておきたい農協出荷のデメリット

次のとおりです。

  • ファンはつかない
  • 栽培のこだわりが無駄
  • 手数料
  • おつきあい

ファンはつかない(ひとつめ)

例えば食べた人が「これおいしいね!」ってなって、
大概の人は「これ、どこの?」ってなります。
その返答は、
「〇〇のスーパーだよ」
「⬜︎⬜︎県産だって」

つまり、あなたの農園名は一切出てきません。
農協で共選にかけられた時点で、みんなと一緒くたになります。

もちろんファンは増えませんし、「あなたの農園で栽培されたものが美味しかった」って声も聞けません。
高く売れることもありません。

栽培のこだわりが無駄(ふたつめ)

みんなで規格を合わせて出荷するので、
「俺は〇〇農法してて、こういうことを大事にしてるんだ」
ってやって栽培しても、共選にかけられた時点で、みんなと一緒くたになります。

あなたのそのこだわり、栽培にかける情熱は誰にも響きません。
JA〇〇のトマトとして販売されますし、
あまり栽培に熱量をもっていない農家さんのトマトと一緒になります。


手数料(みっつめ)

さっきお話ししたときには、意外と単価が高いって言いましたけど、
この点に関しましては出荷量によって手数料が高いか安いかが効いてきます。

出荷量が多い人だと、生産に時間がとられて「販売の労力は他でお願い!」ってなって、
農協がその点、丸投げできて助かります。

一方、出荷量が少ない人だと、少ない面積で売り上げを上げようと思ったら、
その手数料分も働いた方が賢明だと実感します。

生産以外にも時間があるなら、農協の手数料は痛く感じると思います。

これがまさに、僕の就農当時の状態です。

おつきあい(よっつめ)

農協へ行くと、農家さんがたくさんいます。
やはり人付き合いというのが自然と生まれます。

これが苦手でなければいいのですが、慣れないとゆううつになりがちですね。

また出荷者が少ない共選の場合、出荷者共選といって、出荷した人がそのまま共選を手伝うシステムがあります。
これに時間がとられてしまい、「畑もどって作業しないといけないのに…」ってことが起こりうります。

まとめ

話を振り返っておきますと、
知っておきたい農協出荷のデメリット

次のとおりです。

  • ファンはつかない
  • 栽培のこだわりが無駄
  • 手数料
  • おつきあい
直接販売3

終わりに

いかがでしたか?

今回の内容をすべて振り返っておきますと、
農協出荷は確かに楽ではありますけど、あなたの理想とした農業に農協が合うかどうかは、
時間をかけて考える必要があると思います。

こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
あなたにとって、僕のこれまでの学びや経験、考えが参考になれば幸いです。

それではまた別のコンテンツでお会いしましょう。
終わります。 

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ご覧いただきまして、ありがとうございました。

written by 農業、始める


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