品種構成で失敗したんで、気をつけるようにしたことは?
「畑の品種構成ってどう考えたらいいのかな?」
「植え付けするときの品種の選び方ってどこがポイントなの?」
って思ったことありません?
自分もそうでして、もう品種がたくさんありすぎて何が何だかわからなくなってくるんですよね。
「どれも美味しそうだけど、でもそれだけで選んでいいのかな?」
って思ったり。
今でこそ、15年近く農業やってきて、
品種の年間計画を立てる際に、気をつけるべきポイントってのが僕のなかで出来上がってます。
品種構成でお悩みのあなた、
年間計画の立て方でお悩みのあなた
にとって参考になれば幸いです。
目次
僕の痛い目にあった経験
先に結論をお伝えしますと、
なんで僕は痛い目にあったかというと
収穫時期だけ見てたから。
なんでダメなの?
収穫時期が一番忙しいとは限らないから。
僕は果樹農家なんで、その目線から話すると、
育て上げるまでが一番大変なパターンもあるんですね。
それがぶどうだったり。
収穫時期なんて逆に安心していれるぐらいです。
どんな痛い目に?
すももの品種で、収穫時期がずれるようにしていくとするじゃないですか?
そうすれば、「ずっとリレーで収穫できる!」ってなって。
でも、肝心な摘果の時期はみんな同じ5月なんです。
5月には全ての品種を摘果しなきゃならなくて、でも追いつかなくて。
結果ゴリゴリのまま実が大きくなって、
しまいには太枝が折れてました。
なので、収穫時期だけを見るってのはやめましょう。
ここまで聞いて、「じゃあ実際にはどんなポイントを見たらいいの?」って
思われるかもしれません。
それが次の2つ目のチャプター、品種構成で僕が考えるポイントの内容に入っていきます。
品種構成で僕が考えるポイント
とくに次の3つです。
- 収穫期間
- 絶対に外せない作業時期
- 草刈りと防除のタイミング
ひとつずつ、みていきます。
収穫期間(1つめ)
これ、時期と期間って似ているようでちょっとニュアンスが違うんですが、
要は「何日間、収穫できるのか?」ってことです。
理由は?
なんでここを考えるか?というと、
労力分散のためです。
同じ収穫時期に3、4つの品種が重なるなんて地獄なんで、
例えば、すももAが6月1日に収穫し始めて、10日間続くと。
となると、次の品種は6月10日あたりに収穫できる品種がいいなって
考えられるわけです。
(実際は、そんなに理想通りに行きませんけどね。)
なので、その品種の収穫期間がわかっていると、品種構成も立てやすくなり、
年間計画も立てやすくなっていくと思います。
栽培面積もわかる
また、収穫期間がわかっていると、その限られた日数の中で収穫しなきゃならないため、
今ある労力でどこまで出来るか?がわかります。
これが栽培面積の予定づくりにもつながっていくと思います。
絶対に外せない作業時期(2つめ)
これは先ほどぶどうの例でもあげましたけど、
ぶどうは房づくりと摘粒、ジベ処理と絶対に外せない、しかもその期間内にどうにもやらなきゃならない作業がありますので、
ここをどれだけ出来るか?を理解してないと、畑をとっちらかすことになります。
つまり、一番労力がかかる時期を把握することが大切だと思います。
それが出来ると、労働力に無理のない品種構成が立てられるかと思います。
1日単位で見ても
さらに1日の中でも忙しい時間帯って出てくるんで、そこの労力かけられるかも大切です。
ほとんどはやはり収穫の時期が忙しかったりすると思いますが、
桃は絶対に早朝の収穫が鉄則なので、その時間帯にいかに労力をかけられるか、
すももは選果作業に労力がかかるので、収穫後にどれだけ労力をかけられるかがポイントになってきます。
草の管理と防除のタイミング(3つめ)
農繁期とかいろんな作業が出てきて、目の前のことにいっぱいいっぱいになってますよね。
となると、後回しにしがちなのが草の管理です。
しっかりと定期的に草刈りや耕運するべきタイミングも、品種構成の中にいれておくと
無理のない計画が立てられると思います。
また防除に関しても同様で、優先順位が下になってしまったせいで取り返しのつかない状況になることもあります。
気を付けたいところです。
品種って重なってもいい?
ここまで聞いて、品種構成を考えるときに「同じ時期同じ期間に、2つ品目があってもいい?」って思われるかもしれませんが、
これこそ労力と相談です。
2つの品目を対応できる労力があれば可能だと思いますし、
先ほど言いました1日の中でかかる労力が、片方はAM,もう片方はPMに時間がかかりますってなれば分散できますし、対応可能だとおもいます。
まとめ
いったん話を振り返っておきますと、
品種構成で僕が考えるポイント
- 収穫期間
- 絶対に外せない作業時期
- 草刈りと防除のタイミング
そうは言っても、「なんだか頭の中がごっちゃになってきて、余計にわからなくなっちゃった」って状態になりますよね。
ホント、いろんな要素を考えなきゃいけないんで、パズルみたいで訳わからかったり。
そんな場合であっても、品種構成しやすくなる方法がありまして、それが次の3つ目のチャプター、おすすめの計画の立て方の内容に入っていきます。
おすすめの計画の立て方
結論としては、人のを丸パクリです。
もうおじいちゃんたちが何年もそれでうまく回してきている品種構成なら、
かなり信頼度は上がりますよね。
これで農家としてやってきたわけですから、その品種構成を教えてもらって
そのまま参考にしちゃえばいいわけです。
そうはいっても
「でも栽培したい品種があるんだけど…」
その品種と似た品種を入れ替えするだけのことです。
似た品種っていうのは、収穫時期、外せない作業、その他もろもろが似ているってことです。
これは当たり前すぎる話ですけど、かなり有効だと思います。
ただここまで聞いて、「品種構成、収穫リレーが続くようにできた!」
「計画立てられた。これで大丈夫!」と思っても注意しておくべき点があるんですね。
それは何か?っていうと次の4つ目のチャプター、覚悟しておくべきことの内容に入っていきます。
覚悟しておくべきこと
収穫時期が完全に重なるということです。
どういうことか?っていうと、本来であればA→B→Cの順で収穫してくように品種構成を組み立てたのに、
2、3日暑い日が続いちゃって、収穫がA+B+C3つ同時に収穫を迎えてしまうことがあります。
もう地獄ですよね。
「どうしたらいいんだ!?」って叫びたくなったり。
そんなとき、みんなどうしてる?
1品種捨ててたりします。
畑一枚まるまる捨てたり。
これってかなり勇気がいることだと思いますが、得られるものと損するものの大きさを考えた時に、
損の方が小さい=この品種は捨てる
という考え方になります。
果樹で就農する人のリアルな戦略
最後に果樹に関してのお話。
そうはいっても、果樹でゼロから就農した人は借りた畑にある品種勝負、出たとこ勝負なところがあります。
同じ品種ばかり多くなってくこともありますしね。
つまりその地域での主力品種が多くなります。
なので、新たに植え付けるならば、その品種以外のものを植えることが大事かと思います。
もちろん、出荷先がJAという方は、共選で扱っている品種に限られます。
終わりに
いかがでしたか?
こんな感じで、農業にプラスになりそうなことをコンテンツにしています。
あなたにとって、僕のこれまでの学びや経験、考えが参考になれば幸いです。
それではまた別のコンテンツでお会いしましょう。
終わります。
「もっと、農業に夢中になっちゃおう。」
みなさんに、もっと、農業に夢中になっていただきたい想いで、
いろんな農業に関する情報発信をしています。
【ゆびあぐり】のSNS一覧
https://lit.link/yubiagri
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
written by 農業、始める